世界で売れるオニツカタイガー、“ファッションブランド”として復刻した理由とは?
高品質のものづくり、機能性、デザインの掛け合わせ
競合がひしめくファッション業界において、グローバルに好調を維持している強さの秘密は何なのか。
「品質を追求したものづくりに魅力を感じてもらっている。国境、性別、世代を超えてご愛用いただいており、TOP30に入るラインはどの国でも同じように売れている。歩きやすく、毎日はいても痛みにくい機能性が一番の特徴で、定番モデルが全体の4割から5割を占める。そこに、トレンドを意識したデザインのプロダクトも継続的に出すことによって、流行に敏感な女性客からも支持されるようになった」と、オニツカタイガーカンパニー コマーシャル部 営業推進チーム マネージャーの鹿目健氏は話す。
「たとえば、ブランドを象徴する『MEXICO 66』というモデルの場合、基本はオニツカタイガーストライプが入っている薄底仕様。そのスタイルは維持しながらも、ストライプがないタイプ、厚底、スリッポンというように、ファッションアイテム色が強い商品もラインナップに揃えている」(同)。
また復刻当初から、シューズカテゴリーフロアではなくファッションフロアへの出店を続けたことで、女性客への認知が着実に上がっていった。現在は女性比率が6割にのぼる。
和のイメージはアピールせず、日本のものづくりを愚直に発信
海外売上が8割を超えるオニツカタイガーだが、鹿目氏は「和を醸し出すイメージは打ち出さず、あくまでもファッションブランドとしてのイメージでブランディングしている」と言い切る。
オニツカタイガーの平均客単価は1万5000円~1万7000円だが、平均3万円と高級ラインの『NIPPON MADE』というシリーズがある。上質な素材、染めや縫製の細かい部分にまでこだわり、ものづくりそのものを通して日本らしさを世界に発信し続けようという想いを込める。