次世代ネットスーパー戦略、イオンネクスト準備バラット・ルパーニ社長が語る!

聞き手:阿部 幸治 (ダイヤモンド・チェーンストア編集長)
構成:松岡 由希子 (フリーランスライター)
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ネットスーパー新時代

2019年11月、英国のネットスーパー専業企業であるオカドグループ(Ocado Group)傘下のオカドソリューションズ(Ocado Solutions)と国内における独占パートナーシップ契約を締結したイオン(千葉県/吉田昭夫社長)。同年12月にはイオンネクスト準備(千葉県)を設立し、「次世代ネットスーパー」の本格稼働に向けて準備を進めている。その進捗と成長戦略をイオンネクスト準備のバラット・ルパーニ社長に聞いた。

CFC当たり実店舗の30~40店ぶんを稼ぐ

──日本のネットスーパー市場をどのようにみていますか。

イオンネクスト準備代表取締役 バラット・ルパーニ氏
バラット・ルパーニ(BHARAT RUPANI)
●グローバル小売業界において25年以上の経験を有し、各国の主要ブランドの開発・拡大に携わってきた。前職のデイモンワールドワイド時代に、米国およびアジアの大手小売企業のプライベートブランド開発にあたるなかで、イオンとの関係を構築。2004年にイオン事業担当のマーケティングディレクターとして日本に赴任し、さまざまな職責を経てバイスプレジデントとなる。12年に米国に戻るが、19年にネットスーパー事業プロジェクトリーダーとしてイオンに迎え入れられた後、現職

バラット コロナ禍で人々の行動が不可逆的に変化し、消費者の食品の買物の仕方が大きく変わりました。このような世界的な傾向は日本でも同様です。従来は消費者が自ら店舗へ出向き、商品を手に取って品質や鮮度を目で確かめて購入するのが一般的でしたが、自宅にいながら安全に買物できるネットスーパーを利用する世帯数が増えています。

 10年くらいのスパンで想定されていたECシフトがコロナ禍で一気に加速し、この2年ほどで実現されました。「いつでもどこでも買物したい」という消費者ニーズに対し、時間や場所の制約を受けないECには優位性があります。ECでの購買は今後も定着するでしょう。

──19年11月、イオンは「次世代ネットスーパー」を始動し「30年までにネットスーパー事業の売上高6000億円」という目標を掲げました。コロナ禍を経てこの目標に変更はありますか。

バラット 現時点ではその目標に変更はありません。その理由は、「顧客フルフィルメントセンター(CFC)」の建設には相応の時間を要し、受注キャパシティに制約があるからです。市場環境の変化や需要動向などをふまえながら事業の加速について検討していきます。

──初期投資が重いCFCモデルのネットスーパーをどのように収益化していきますか。

バラット 収益化には

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聞き手

阿部 幸治 / ダイヤモンド・チェーンストア編集長

マーケティング会社で商品リニューアルプランを担当後、現ダイヤモンド・リテイルメディア入社。2011年よりダイヤモンド・ホームセンター編集長。18年よりダイヤモンド・チェーンストア編集長(現任)。19年よりダイヤモンド・チェーンストアオンライン編集長を兼務。マーケティング、海外情報、業態別の戦略等に精通。座右の銘は「初めて見た小売店は、取材依頼する」。マサチューセッツ州立大学経営管理修士(MBA)。趣味はNBA鑑賞と筋トレ

構成

松岡 由希子 / フリーランスライター

米国MBA 取得後、スタートアップの支援や経営戦略の立案などの実務経験を経て、2008年、ジャーナリストに転身。食を取り巻く技術革新や次世代ビジネスの動向をグローバルな視点で追う。

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