ドン・キホーテ インバウンドもお任せあれ!
ドン・キホーテホールディングス(東京都/大原孝治社長)の躍進が止まらない。
2018年6月期の売上高は9415億800万円(対前期比13.6%増)、営業利益は515億6800万円(同11.7%増)、経常利益は572億1800万円(同25.7%増)、当期純利益は364億500万円(同10.0%増)と29期連続の増収増益を達成した。
その理由は、いろいろなところにあるが、ここではインバウンド需要の獲得についてみていきたい。
同期のインバウンド売上高は568億円と対前期比56%増。実にこの1年間で204億円が売上に積まれたことになる。売上高構成比は8.7%で2020年同10%達成目標は前倒しで実現しそうな勢いだ。
通期ベースの既存店舗成長率は4.1%増。そのうち1.9ポイントはインバウンド需要の獲得が押し上げた。
国別客数では、1位韓国(37.4%)、2位中国(32.0%)、3位台湾(12.8%)、4位タイ(5.5%)、5位香港(1.1%)とアジア諸国が上位にランクインする。
国別免税売上高は、1位中国(43.4%)、2位韓国(24.0%)、3位台湾(13.4%)、4位タイ(6.1%)、5位香港(1.1%)と中国の購買力の高さが際立っている。
商品的には、医療品・スキンケア商品などを中心に好調な「日用雑貨品」の売上高構成が53.8%でトップ。以下、食品(17.9%)、時計・ファッション(19.0%)、家電製品(5.9%)、スポーツ・レジャー(2.8%)となっている。
エリア的には、西高東低の傾向が顕著であり、免税売上高構成比の高い店舗を記していくと、1位道頓堀御堂筋店(大阪府:65.7%)、2位道頓堀店(大阪府:65.0%)、3位なんば千日前店(大阪府:54.6%)。以下、中洲店(福岡県:51.7%)、国際通り店(沖縄県:51.0%)、福岡天神本店(福岡県:49.9%)、京都アバンティ店(京都府:46.8%)、銀座本店(東京都:45.3%)、名古屋栄店(愛知県:41.1%)、新宿歌舞伎町本店(東京都:40.7%)だ。
この好調について、同社は「訪日客消費ニーズ対応やSNS上で刻一刻と変化する情報にアンテナを張った品揃えにより支持率は急上昇した」といい、実際に夕食後の19時30分~24時30分に売上のヤマがあることを踏まえ、諸策を打ってきた。
さて、政府は、2020年に4000万人訪日、8兆円消費というインバウンド消費の目標を掲げており、この需要獲得に当たっては、それまであまり関心を示さなかったコスモス薬品(福岡県/横山英昭社長)も「看過できない」と名乗りを上げている。
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