評価段階
ドイツの『ミシュランガイド』の三ツ星評価のように、3段階での評価というのは、非常に潔く、気持ちいいものだ。
評点が3つしかないということは、かなり明確に辛辣な評価も期待できる。
日本にも、「優・良・可」「松・竹・梅」「上・中・下」という具合に3段階での評価は結構ある。
ところが不思議なもので、3段階評価は、放っておくと、「優-」「良+」といった具合に細分化され、評価段階はどんどん増えていってしまうきらいがある。
「期待通り」(=良)、「期待以上」(=優)、「期待以下」(=可)と考えれば、そんなに広がりようはないような気もするのだが、「優-」「良+」などを認めてしまうと、3段階だった評価は各々3つに分裂し、一挙に9段階に変わってしまう。
実際、TV番組で料理を★3つで評価するという企画をよく目にするが、「★1.5」や「★2.5」という中途半端な評価が実に多い。
そうであるならば、初めから5段階評価にした方が分かりやすいし、運営もしやすいと思われる。
ところが、5段階にすると、今度は15段階に細分化されていってしまう。
たとえば、スタンダード&プアーズによる長期発行体格付けの評価尺度は、「AAA」「AA+」「AA」「AA-」「A+」「A」「A-」「BBB+」「BBB」「BBB-」「BB+」「BB」「BB-」「B+」「B」「B-」「CCC+」「CCC」「CCC-」「CC」「C」と21段階もある。
使用しているアルファベットが3つしかないことから、原初的な評価は3段階で行われていたのでは、と想像させられるところだ。
と、そんなことを考えていくと、人間とは、白黒つけるのが苦手なもの、優柔不断ということなのかもしれない。
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