風林火山
消費税は、現在の5%から8%に引き上げられる。しかし、国民の所得は増える兆しが見えず、増税後には、さらなる低価格競争が起こり、流通業界は弱肉強食の市場と化し、再編に拍車が掛かる。少子化、高齢化、人口減少に歯止めはかからず、TPP(環太平洋パートナーシップ協定交渉)の先行きは不透明、そして原材料費は高騰、さらには世界人口の増加で食糧まで暴騰の気配を見せる――。今から予想できる2014年の姿だ。
こうしたトレンドが続くと、中長期的には悲観的にならざるをえない。けれども、われわれ民間企業は嘆いていても始まらない。逆境の中でも、景気を良化させるために、自分たちのビジネスに専心しなければならない。国内のシェアを取る方法もある。国外を含め、新しい市場に進出する方法もある。ビジネスのチャンスは星の数ほど限りない。
最悪なのは、十年一日の如く何もしないことだ。変化対応業であるべき企業が「動かざること山の如し」では通用しない。「疾きこと風の如く」「徐かなること林の如し」「侵掠すること火の如く」を上に付け足し、「風林火山」の境地で来る新年を迎えたい。
『チェーンストアエイジ』誌2013年12月15日・2014年1月1日合併号
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