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幸楽苑が“二郎”風のメガ盛りを出すねらいと味わいの幸楽苑らしさとは

2025/02/21 05:55
井手隊長 (ラーメンライター)
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「メガチャーシューめん」を実食!

 早速、「メガチャーシューめん」を注文。価格は税込990円と、看板の「中華そば」の倍以上。幸楽苑のメニューの中では“超高価格帯”の一杯だ。

 具材は、大ぶりのバラチャーシューが6枚、その上に山盛りの野菜、ネギ、ニンニクがトッピングされている。野菜はキャベツ、モヤシ、タマネギ、ニンジン、キクラゲと豊富で、スープには粗めの背脂が浮かび、麺は中太麺を採用している。

 見た目は二郎系を彷彿させるが、スープの色合いは「中華そば」に近い。スープを一口飲むと、幸楽苑らしさをしっかりと感じる。味わいは二郎系を完全に模倣したものではなく、中華そばの進化形と言える。野菜をたっぷりのせてタンメン風に仕上げ、背脂を加え、大量のチャーシューをトッピング。二郎系の迫力を取り入れつつ、幸楽苑ならではの親しみやすさを生かした独自のラーメンだ。

 つまり、幸楽苑らしさを忘れて二郎系に寄せたわけではなく、幸楽苑独自の味づくりの中で完成させたメガ盛りメニューなのだ。一見、パンチが足りないように思えるが、醤油スープ、背脂、ニンニクのバランスが絶妙で、満足度と完成度の高さを両立している。

 むしろ、タンメンらしさが際立ち、野菜をしっかり摂れる満足感に加え、大量のチャーシューで食べ応えも十分だ。これこそ、二郎系の特徴を取り入れながらも、あくまで幸楽苑の味として昇華させた幸楽苑流のラーメンと言える。絶妙に計算された一杯であり、一般的な二郎系ラーメンとは一線を画す。独自性をしっかりと打ち出している点も好印象だった。

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記事執筆者

井手隊長 / ラーメンライター
全国47都道府県のラーメンを食べ歩くラーメンライター。「東洋経済オンライン」「プレジデントオンライン」「AERAdot.」などの連載を持ち、商品開発、番組出演なども手がける。近年は「ラーメンの1000円の壁」「町中華の衰退事情」「個人店の事業承継」など、ラーメン業界をめぐる現状を精力的に取材。テレビ・ネット番組への出演は「羽鳥慎一モーニングショー」「ABEMA的ニュースショー」「熱狂マニアさん!」「5時に夢中!」など多数。そのほか、ミュージシャンとして、サザンオールスターズのトリビュートバンド「井手隊長バンド」や、昭和歌謡・オールディーズユニット「フカイデカフェ」でも活動。著書に『できる人だけが知っている 「ここだけの話」を聞く技術』(秀和システム)がある。
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