圧倒的な◯◯に注目! 京都・北野天満宮近くで食す、変わり種うどん

2024/06/28 05:59
森本 守人 (サテライトスコープ代表)
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「衣笠丼」とのセットを注文

 たわらやが、こだわっているというのは“だし”。店の表には「たわらや だしのこだわり」と題した説明書きを掲げている。

 それによれば昆布、うるめ、さば、めじか、かつおを使って店内で取っているとのことである。旨みを楽しんでもらうため、うどんに生姜を入れるだけというシンプルな状態で提供しているのだという。

店の前に掲げる説明書きでは「たわらや だしのこだわり」を紹介している
うどんと「衣笠丼」のセット(1400円)を注文する

 店内に入る。案内された席に座ってメニューを確認、注文したのは、うどんと「衣笠丼」のセット(1400円)。衣笠丼とは、京都ではメジャーな料理で、ごはんの上に油揚げ、かまぼこ、たまねぎ、ねぎを卵でとじた具が乗っているシンプルな丼だ。

約10分後、私の目の前に料理が置かれる
うどんに注目。びっくりするほど麺が太い

 約10分後、私の目の前に届けられたのがこれ。注目は前述した、うどんである。おそらく直径1cmはあるだろう、びっくりするほど麺が太い。ボールペンと比べると普通の麺との違いがわかるはずだ。箸で持ったらずしりと重い。

直径1cmはあるだろうか。ボールペンと比べると普通の麺との違いがわかるはずだ

 実際に食べると、自慢のだしの風味と相まっておいしい。次に衣笠丼。テーブルに備え付けの粉山椒をかけ、いただく。こちらも安定のおいしさである。京都なので総じて薄味なのだが、どちらもだしが効いていているのがよい。じっくり味わいながら食べ進め、そして完食する。

衣笠丼は粉山椒をかけ、いただく

 この店に来るたび、いつも思うのが何事も特徴を出すことの重要性である。最近は、どの業界でも競争が激しく、生き残るだけでも大変な時代。厳しい状況の中、注目を集め、差別化を図るには、やはり他にはない商品、サービスを提供することが必要になる。

 そういった視点でたわらやのうどんを見ると、圧倒的な独自性を感じる。近くに麺類を出す店は少なくないが、大きな存在感がある。食べ物はおいしさが一番だが、さらにプラスαの“何か”があると俄然、光り輝くものだ。

 そんなことを考えながら、食後のお茶を飲んでいた。たわらやでこの太いうどんを食べ、差別化戦略に頭をひねるのもよいかもしれない。

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記事執筆者

森本 守人 / サテライトスコープ代表

 京都市出身。大手食品メーカーの営業マンとして社会人デビューを果たした後、パン職人、ミュージシャン、会社役員などを経てフリーの文筆家となる。「競争力を生む戦略、組織」をテーマに、流通、製造など、おもにビジネス分野を取材。文筆業以外では政府公認カメラマンとしてゴルバチョフ氏を撮影する。サテライトスコープ代表。「当コーナーは、京都の魅力を体験型レポートで発信します」。

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