1人だけでやっているわけじゃない
昨日のBLOGでは、ユニクロ(山口県/柳井正会長兼社長)が錦織圭選手着用モデルのテニスウエアを発売することを報告した。
たかがテニスウエアと思われる向きもあるかも知らないが、トップクラスで活躍する錦織モデルの開発には実に多くの時間が費やされている。実際、現在の“2世代目”を開発するまでには1年の歳月を要した。
繊維、織り方、生地、デザイン、パターン、機能性、装着感など多くの要素を細かく検証して、試作し、失敗を繰り返しながら、ようやくいまの形になったのである。
ウエアひとつとっても多くの時間すなわち多くの人間がかかわっているのである。
シューズ(契約はアディダス)やラケット(契約はウィルソン)だって同じだ。
たとえば、ラケットなら、素材、デザイン、フェイス面積、全長、サイズ、厚さ、グリップ、重さ、使用ガットなどをひとつずつ決め、製品化していく。そこに基礎研究を活用した最新テクノロジーが組み込まれる。
そのラケットにガットを張るのはストリンガーの仕事だ。ストリンガーとは、ラケットの性能とプレイヤーの打ち方などを勘案しながら、指定されたテンションで張り上げていく職人さんのことだ。
一方、錦織選手をメンタル面、技術面で支えているのはコーチ陣の存在だ。
現在の錦織選手のフルタイムコーチはダンテ・ボッティーニさん、トラベリングコーチ(ツアーに帯同する)は、アンドレ・アガシ選手(米)やアンディ・ロディック選手(米)、アンディ・マレー選手(英)などの大物を教えたブラッド・ギルバートさん。トレーナーは今弘人さん、マネージャーはオリバー・ヴァン・リンドンクさん…。
表層だけ見れば、錦織選手は1人きりで世界ランキング上位の選手と闘っているように見えるかもしれないがそうではないことが分かる。彼が試合に出場して、勝ったり負けたりする周囲には、直接的、間接的にかかわっている実に多くの人たちがいるわけだ。
錦織選手は、「チーム錦織」の“顔”であり、“主要メンバー”ではあるが、1個人の思い通りで勝手気ままに動くことはできるはずがなく、常にチームに対して責任ある行動が求められているのである。
と、ここまで書いて思い出したのは、2月2日に入籍した赤西仁くんと黒木メイサさんのカップルである。
2人の話をここで縷々述べるつもりはないけれども、自分たちが世の中で活躍できるのは、1人だけの力ではなく、支えてくれる多くの裏方の存在があることに気付かなかったのだろうか?
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