女性ファッション誌。商品が変われば、売り方も変わる
このBLOGの読者のみなさんには馴染みが薄いかもしれないが、いま書店で目につくものに豪華付録付きの女性ファッション誌がある。
ブームの火付け役となったのは、宝島社(東京都/蓮見清一社長)だ。
2004年から『InRed(インレッド)』誌や『sweet(スイート)』誌、『steady(ステディ)』誌とすべての雑誌に付録を付けている。
たとえば、『InRed(インレッド)』誌の2011年7月号の付録は、「MARY QUANT(マリークヮント)」のボーダーバッグ。黒と白のボーダーにブランドの象徴であるデイジー(雛菊)がデザインされた「MARY QUANT」らしい1品。サイズは、マチ約20cm×幅36cm(上部)/25cm(下部)×深さ11cmというものである。
これが付いて、750円という価格は、お買い得そのものだろう。お目当ては雑誌ではなく、付録という“読者”も少なくないという。
付録付きの女性ファッション誌は、不況と言われる出版業界のなかでは、なかなかの売れ行きをキープしており、それだけに競合も激化している。
宝島社の雑誌のみならず、実に多くの女性ファッション誌が、付録合戦に参戦して、しのぎを削っているのだ。
そんななかで昨日、ふと入った三省堂京都駅店(京都府)では、こうした雑誌の付録だけを取り出し、それぞれに表紙の縮小版を貼付して、手に取れるように展示していた。その数は実に11個。コーナーの雰囲気は、書店というよりは、ちょっとした雑貨ショップだ。
雑誌に挟み込まれてしまうと、付録をイメージできないものだが、この方式ならば、現物を確かめてから購入することが可能になるので「こんなはずじゃなかった」という購買後のガッカリ感を回避することができる。
商品が変わっているのだから、売り方も変えなければいけないという、最良のケーススタディを見せてもらった気がする。
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