スポーツ選手は勝たねばならない
学生の本分は勉強だ。
これは何も座学に専心しろということではなく、スポーツをするにも、アルバイトをするにも、恋愛するにも、普通に生活をするにも、常に何かを学ぶスタンスを取れ、という意味になるだろう。
では、スポーツ選手の本分とは何だろうか?
勝つこと、そのために練習することである、と私は思う。
少なくとも、プロ、セミプロの立場にある者にとっては、当然のことではないか?
その意味から言うなら、「なでしこジャパンは大丈夫か?」とTVを観ながら思う。
8月18日に国民栄誉賞が授与されるというのは、非常に素晴らしいことなのだが、7月19日にワールドカップから帰国して以降、TVに出ずっぱり。
プロ野球公式戦の始球式をしたり、TVの司会者のために『Happy birthday』を歌ったり、本業とはずいぶんかけ離れたところで抜群の存在感を見せている。
それは、あるところ、彼女たちが悪いわけではない。
問題は彼女たちが出演すれば数字が取れるという思惑から多用しているTV局やイベント会社などの助平根性にある。
彼女たちは踊らされているだけなのである。
しかし、そんな人たちはそっぽを向くのもまた早いものだ。
芥川龍之介の短編小説『杜子春』のように、成績がいい時には、ちやほやするけれども、悪くなれば、クモの子を散らすようにいなくなる――。それが世の常というものだ。
そうならないように、引退前のスポーツ選手は勝たなければいけない。それが本分と言っていい。
しかも現在、なでしこリーグはオフシーズンではないし、9月1日以降は、ロンドン五輪アジア最終予選が中国の済南でスタート。タイ、韓国、オーストラリア、北朝鮮、中国との激戦が控えている。
予選で負ければ、手の平を返したようなバッシングを各方面から受けるのは必至だ。だからこそ、勝って兜の緒を締めよだ。
勝って称賛された者たちは、勝ち続けていくしかない宿命にある。
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