故吉田貞雄さん直伝 「私の速読術」

2011/10/23 07:46
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 読書の秋――。

 みなさんは、読書をしていますか?

 

 経営者は、1年に10冊以上の専門書を読む必要があると言われる。

 しかし、これだけ変化の激しい時代を勝ち抜こうとする流通業に籍を置くならば、年間数十冊は読みたいところだ。

 

 読書とは、単に新しい知識を得るための行為なのではなく、正面から自分自身と向き合うための行為でもあるからだ。

 

 仮に年間40冊を読むとするなら、1冊250ページで計算すると、年間1万ページ。1日当たり27ページを継続して読む必要がある。

 

 1日27ページというのは、結構大変な数字ではある。

 

 では、どうするのか?

 私は、流通評論家の故吉田貞雄さんから、冗文率というものがあると聞いてから、斜め読み、探し読み、拾い読み、飛ばし読み、眺め読みができるようになった。

 「文章の中には、無駄な言葉がたくさんあって半分はなくても意味が通じるんだ。冗文率が50%ということは1単語おき、1文おき、1頁おきに読み飛ばしても意味は十分理解できるということなんだよ」。

 

 吉田さんは、とくに「導入信号」「詳説信号」「変更信号」に留意せよ、と教えてくれた。

 「導入信号」とは「したがって」「それだから」「もしも」といった種類の言葉。「詳細信号」は「たとえば」「同じように」「付け加えて言えば」といった言葉。「変更信号」は、「しかし」「そうはいっても」「にもかかわらず」「それとは反対に」といった言葉だ。

 

 「3種類の信号は、著者が自分の考えを書く道しるべとして自然に、あるいは意図的に、プロットした単語だ。だから、その信号にしたがって、読み飛ばしたり、注視したりすればいいんだよ」。

 

 実際に、3つの「信号」を順守しながら、冗文のありかを突き止め、読み飛ばし、重要な単語を拾っていくと1冊の本を読むスピードは3倍増になる。

 ぜひ、試してみて欲しい。

 

 もうひとつ。

 訓練を必要としないのは、ある流通業の創業者が教えてくれた次の読書方法だ。

 その方は、第1章と最終章を精読し、その他の章は読み飛ばすのだという。10章構成の単行本であれば、5倍の速度で読めるようになる。

 

 「そんなのは邪道だよ。本は頭から終わりまで精読すべきだ」という方がいるだろうが、その考えもその通り。本は、何かと競い合って読むべきでもない。

 

 いずれにしても、読書をするには、本当に良い季節になった。

 今日あたりは、街の本屋さんやアマゾンに立ち寄ってみてはどうだろうか?

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