ヴァンス・パッカード「消費を喚起する10の方法」

2011/01/02 03:36
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 写真家でノンフィクションライターの藤原新也さんは著作『東京漂流』(情報センター出版局刊)の中で、アメリカの社会学者ヴァンス・パッカードが『浪費をつくり出す人々』(ダイヤモンド社刊:絶版)で分類した「消費を喚起する10の方法」を紹介している。

 

 10の方法とは、

 

 ①捨てさせる

 (例)100円ライター、1000円の時計、〈コンタクトレンズ〉、〈カイロ〉、〈スリッパ〉

 

 ②無駄遣いさせる

 (例)大きめの角砂糖、エアゾール式容器、〈スプレー式鎮痛消炎剤〉

 

 ③贈り物にさせる

 (例)バレンタインセール、父の日セール、〈カーネーション〉

 

 ④蓄えさせる

 (例)洋酒瓶、全集本、〈ワイン〉

 

 ⑤抱き合わせ商品にする

 (例)カメラとカメラケース、〈ポータブルゲームとソフト〉

 

 ⑥きっかけを与える

 (例)読書週間、虫歯予防デー、〈メニュー提案〉

 

 ⑦単能化させる

 (例)専用ビタミン剤、〈自転車〉

 

 ⑧セカンドとして持たせる

 (例)セカンドハウス、セカンドカー、〈テニスラケット〉、〈パソコン〉

 

 ⑨予備を持たせる

 (例)タイヤ、電球(スペア)、フィルム(ストック)、〈乾電池〉

 

 ⑩ 旧式にさせる

 (例)〈自動車〉、〈スキー用品〉、〈スポーツウエア〉

 

 である(〈 〉内は私が考えた例)。

 

 この10項目は、『流通革命』の著者である林周二さん(東京大学名誉教授)が「大衆の浪費を刺激する10の戦略」として上記の(例)を含めて紹介しているので、すでにご存じの方にとっては、釈迦に説法かもしれない。

 

 古風なもの、バブリーなものやエコではないなど今日的ではない項目も目につくが、戦略的には現在でも十分通用する。

 わが社の販売促進戦略づくりとしては、メーカー、卸売業、小売業の業態を問わず、1項目ごとチェックしてみる価値はあるはずだ。

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