ジョイフル本田、社長交代、について
2011年6月21日、茨城県を地盤に超大型ホームセンターを15店舗展開するジョイフル本田の社長に本田昌也会長が復帰した。
これまでジョイフル本田は、持ち株会社ジョイフルカンパニーの下に事業会社であるジョイフル本田がぶら下がる組織形態を取っていた。
6月21日の組織変更では、ジョイフルカンパニーとジョイフル本田が統合して、(新)ジョイフル本田を設立。そこに創業者であり、ジョイフルカンパニーの社長であった本田昌也氏が就任した格好だ。
ジョイフル本田の設立は1975年。以来、ホームセンターの同業他社とは一線を画した売場面積4万㎡規模の「超大型店舗」(※)を出店することで、着実に成長を遂げてきた。2010年6月期の売上高は1600億円に上る。
7月9日のBLOGでも書いた通り、転機となったのは2009年に三菱商事系の投資ファンドである丸の内キャピタル(東京都/矢坂修社長)と資本提携をしてからだ。http://diamond-rm.net/articles/-/3730
その裏側には、ジョイフル本田の事業継承と相続問題があると言われ、株式上場が2013年に行われると噂されていた。
さて、今回のジョイフル本田の動きをいかに見るか?
巷では、「屋上屋」だった持ち株会社を排するとか、「所有」と「経営」を再統合することによる創業家への大政奉還とか、さまざまな憶測が流れている。
私の考えは、次の通り――。
日本国内の証券取引所の内規で、非上場の持株会社(=ジョイフルカンパニー)の子会社(=ジョイフル本田)を上場させることはできないので、2社を合併した後に上場させようしている、ということだ。
そこで、かねてから懇意にさせていただいている同社幹部の方に電話して尋ねると「その通り。でも統合したからといって何も変わらないから」と教えてくれた。
なお、前記BLOG内での疑問、「什器の高さを下げたのは在庫を削減して効率アップさせるためですか?」とも聞いた。「それは違う。売場の主役は什器ではないから。商品を際立たせるためにああいう売場をつくった」と答えてくれたことも付け加えたい。
※日本の一般的なホームセンターの売場面積は3000㎡ほど。
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