何かをやってあげたら…
何かをやってあげたら、何か返してもらって当然――。
学生の頃の私は、本気でそんなことを考えていた。
「打算的過ぎる」と同級生からは随分と注意されたし非難もされた。
なぜ、そんなことを考えていたのかは、今となっては私自身も忘れてしまったが、確かにそんなことを考えていた。
サラリーマンになって生活も落ち着いてくると、何かをしてあげたとしても、当人に対して何も求めなくなった。
ただ、心中にはまだ打算的な何かが蠢いていたことも事実であり、そのことがめぐりめぐって、どこかで誰かが返してくれるのだろうと僅かながらも期待していた。
また、実際にそんなふうに動いていると、「風が吹くと桶屋が儲かる」方式で確実に何かが返ってきた。本当に不思議なものである。
いまは、どうかと言えば、何かを教えたり、してあげたりするのは、見返りなどなくても、幸せなことだと思える境地に至っている。
自分がしたことが相手に影響を与え、相手の何かとして残る。それが途絶えることも、受け継がれていくこともある。
たとえば、社内での教育などは受け継がれていくことの典型的なケースだろう。
後輩が私から何かを吸収して次世代に伝えていってくれれば、将来的には企業風土の一部を醸成するようになるかもしれないのだから、これ以上の喜びはないと考えている。
今日のBLOGは暑さのためか、『こころのともしび』的な真面目な話になってしまったが、これでおしまいにしたい。
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