有名人の訃報が増えているのは有名人の数が増えているからだ
今年ほど、多くの有名人が次々となくなった年はないのではないだろうか?
思いつくままに、列記してみても、
小林繁さん(57)、浅川マキさん(67)、ミッキー安川さん(76)、夏夕介さん(59)、立松和平さん(62)、玉置宏さん(76)、藤田まことさん(76)、しばたはつみさん(57)、木村拓也さん(37)、井上ひさしさん(75)、佐藤慶さん(81)、吉岡治さん(76)、ラッシャー木村さん(68)、梅棹忠雄さん(90)、つかこうへいさん(62)、森毅さん(82)、園佳也子さん(80)、今野雄二さん(66)、梨本勝さん(65)、山本小鉄さん(68)、花田勝治さん(82)、谷啓さん(78)、小林桂樹さん(86)、池内淳子さん(76)、大沢啓二さん(78)、池部良さん(92)、長岡輝子さん(102)、野沢那智さん(72)と一時代を築いた方々ばかりだ(カッコ内は享年)。
そこで、なぜ、今年に限って多いのかと考えてみると、極めて当たり前のことではないかと思えてきた。
それはテレビ時代と関係である。日本で地上波のテレビ放送が開始されたのは、1953年のこと。以後、50年代後半にかけて民放テレビ局が次々と開局した。
60年代以降は、どんどんとコンテンツを充実させ、それまでの映画、ラジオ、舞台、というメディアに代わって、有名人の活躍の場はテレビに移っていく。
テレビの普及台数も、皇太子ご成婚(59年)を契機に一挙に200万台に達し、69年ごろには世帯普及率は95%超を記録した。
60年代から70年代にかけて、俳優、タレント、アイドル、歌手、作家、格闘家、スポーツ選手、教養人の露出の舞台は、テレビとなり、出演する者が増えるにともない、有名人の数自体が増えていったのだ。
この時代に20~30代だったのが今年、鬼籍に入った有名人の人たちだ。享年から45年を引いてみると、大体、当時の年齢が分かる。
それまでの時代との比較で言えば、有名人の数が圧倒的に増えているのだから、その方たちが寿命を迎えるにともない訃報の数は多くなる。
今後しばらくは、同じようなペースで有名人の方々が亡くなっていくのだろう。
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