お歳暮ギフトセットセールに行ってきました
久しぶりに百貨店に行って驚いた。
お歳暮のギフトセットを処分する催事が開かれていたからだ。
数年前から、テレビの情報番組などでさんざん報じられていたので、催事の存在自体は知っていたが、実際に目にしたのは初めてのこと――。
売場は“にわかディスカウントストア”と化していた。従来の百貨店の常識では考えられなかった掟破りともいうべき売り切れ御免の割り切りはとても斬新だ。
場所は東急百貨店吉祥寺店8階催事場。「大食品まつり」と銘打って、「食品ギフトセットの処分セール」のほか、「数量限定 特別提供品」「デイリー食品セール」「北海道人気グルメ食品 お買得品」を同時開催していた。
「食品ギフトセット処分セール」で扱っているのは、インスタントコーヒーセット各種(1313円~)、飲料ギフトセット各種(1575円~)、ワインセット各種(1890円~)、ビールセット各種(1890円~)といった具合。2割、3割引きは当たり前だ。
土曜日の午前中という中途半端な時間帯にもかかわらず、お客が殺到して、レジは大混雑の状態が続く。
売場の雰囲気は、“上品なドン・キホーテ”という感じだが、主要顧客層はドン・キホーテではあまり見かけない老年の主婦たちだ。
ほとんどのお客は、購入した商品を自宅に発送しており、1人当たりの買い上げ点数と単価は思いのほか高いのが特徴だ。
惜しむらくは、従業員のレジ対応で、200円の瓶詰めに綺麗に気泡緩衝材(プチプチ)を巻いてしまうなど、時間とコストに無駄が散見できる。
けれども、百貨店の従業員があわただしく駆け回っている様子をしばらくぶりにみて、なぜかホッとした。
百貨店は、いまも大変良い立地に店舗があり、お客からの信頼度は高く、イメージも良い。
ところが顧客動態や競争環境が大きく変化しているのに、長く品揃えを根本的に変えていないから、市場規模はシュリンクを続けている。
このギフトセットセールのように、売るものを変えれば、売上は爆発する潜在性を持っている。
やりようによっては、まだまだ浮上のチャンスはあると確信した。
(2009年12月9日のBLOGも合わせてお読みください)
千田直哉の続・気づきのヒント の新着記事
-
2024/09/02
魅力的な売場…抽象的な誉め言葉の意味を明確化するために必要なこととは -
2024/08/02
日本酒類販売社長が語る、2023年の酒類食品流通業界振り返り -
2024/07/03
「何にでも感激する経営者」の会社が業績が良い“意外な”理由 -
2024/06/07
経費率16%なのに?ローコスト経営企業が敗れ去るカラクリとは -
2024/05/23
キットカットをナンバーワンにしたマーケター「アイデアより大事なこと」とは -
2024/04/15
スーパーマーケット業界のゲームチェンジャー、オーケー創業者・飯田勧氏の経営哲学とは