週末読書おすすめの一冊:美術史を学ぶための入門書
ルーヴルに学ぶ美術の教養(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
著者:木村泰司
「絵画は見るものではなく、読み解くもの」著者の木村泰司氏はいたるところで、このように伝えているという。
木村氏は西洋美術史家として、講演会やセミナー、執筆活動、メディア出演などで活躍。「名画は嘘をつく」シリーズ(大和書房)や「世界のビジネスエリートが身につける教養 西洋美術史」(ダイヤモンド社)など、
西洋美術史をエンターテインメントとして、ときにはグローバルに活躍するための知識として伝えている。
本書はルーヴルが所蔵する作品に対し、その「読み解きかた」を約60点にわたり解説する。西洋の歴史、宗教、文化が変化していく中で、時代背景や宗教観のアイコンとして、またあるときは統治者への反逆のメッセージとして。ルネサンスの勃興から印象派につながっていく歴史の流れを、またイタリア、フランス、スペイン、オランダなど、それぞれ異なる特徴を初心者にもわかりやすく解説してくれる。
ルーヴルは絵画部門だけで7500点を超えているという。読み終えたあとはまずは近くの美術展へ、そして近い将来「ルーヴルに行ってみたい」と思わせてくれる。美術史の入門としておすすめの書である。