一流店に学ぶ!主導権を「お客」に与える、ファンづくり接客の極意とは

成田直人

1日1食、水分摂取量まで徹底、店主の驚異の自己管理術

写真はイメージです(VivianG/istock)
写真はイメージです(VivianG/istock)

 既存のやり方に縛られないことが結果的に2ヶ月先まで予約が取れないほどのファンで溢れる繁盛店になったわけですが、大将が、寿司への情熱と同じくらい力を入れていたのが「自己管理」です。なんと30代前半から主治医についてもらい、1日1食で、あえて運動をせずに水分摂取量まで徹底している姿にはストイックすぎて言葉を失いました。

 理由は「大好きな寿司店を80歳まで続けたい!」という強い思いからだそうです。「僕のキャリアは80歳がピークで、そこからは寿司の学校をやりたい」とおっしゃっていました。「1日16時間寿司のことだけを考えているからこそ健康な肉体と安定した精神が技を磨く」との金言までいただきました(個人的な解釈がかなり含まれていると思います)。

 この話には痺れました。すべては自分の仕事のパフォーマンスを最大化させるためにどんな毎日を過ごすべきなのか?を勉強し徹底する姿勢です。ここから学べることはたくさんあります。

 とはいえ、「あなたもこの瞬間から大将のようにストイックな日々を過ごして仕事のことだけを考えろ!」と言うつもりは全くありません。僕も至らないところだらけなので押し付ける権利もありません。

 しかし、今回の話の意図は読み取ってください。紹介したのは富山県で一番の有名店であり、県外から顧客が押し寄せるほどファンで溢れる店です。「いったいどんな店なのか?」を僕なりに解説させていただきました。「仕事人はプロであれ!」をまさに体現している姿に感動して、料理はさることながらまた大将に会いたい!と思ってしまい、富山に行く予定などないのに、次に予約のできるタイミングでまた予約を取ってしまったのです。

 あなたの店に出会い、あなたとの対話を通してまた次回の来店を約束するお客さまがいたとしたら、最高に嬉しいことではありませんか。しかもそんなお客さまが増えていったとしたら…… そんなお店にしたい、そんな人になりたいと思うのだとしたら、今回の大将のエピソードから、「ファンづくりの極意」をきっと学べると思います。

 僕自身も日々精進してもっと読者の皆様に貢献できるよう心技体を磨き続けていきたいと思います!押忍!!

 

 一流店が提供する、自慢にならずに「感動」を与える顧客体験とそのための「顧客主導型接客」ですが、これを皆さまの店舗でも、“ねらって”実践する方法があります。それもマインドセットのやり方から、教育、実際のやり方までの体系化された具体的な手法です。僕の新刊「勝手に売れ続ける最高のセールス」を読むと、オンラインにはない価値を磨き上げた、強い店舗をつくることができますので、ぜひご覧ください。

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