洋館が建ち並ぶ大人の街、京都・烏丸御池 老舗人気店で「かきごはん」を食す

2024/02/16 05:59
森本 守人 (サテライトスコープ代表)
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見よ、この完璧なルックスを

 足を運んだのは日曜日の夕方。人気店なので、混雑を避けようと夕飯時よりも少し早めにやってきた。幸運にも、すぐに座ることができた。

「わたつね」に到着。創業は1957年

 メニューを開き、何を食べるか検討する。先ほど店名のくだりでも書いた通り、ここは手打ちの蕎麦もおいしく、もちろん私も時々食べる。しかし今回は「かきごはん」を注文することに決めていた。

 その他はどうするか。事前に調べると、カキフライと一緒に頼む人もいるようだ。しかし見栄えを想像すると少し違うような気がする。あれこれ考え、若い女性店員の提案により、「刺身定食」のごはんをかきごはんへ変更するという組み合わせでいくことにする。何でも聞いてみるものだ。

メニューを開き、何を食べるかを検討する。だが最初から「かきごはん」は注文しようと決めていた

 料理を待つ間、店内を様子を観察すると、年配男性、友達同士、カップル、親子といったように客層は幅広い。壁面にはカウンター席があり、常連と見られるおじさんが定食を食べながらビールを飲んでいた。創業は昭和32(1957年)で、もう70年近くも地域から愛されているのかと思うと感慨深い。

 私は8時過ぎ、近くに用事があって店の前を歩いたことがある。すると「だし」の香りがほんのりと漂っている。朝からまじめに仕事をしているのだろうと想像しながらいつも通り過ぎる。

 しばらくして私のテーブルに届けられたのがこれ。もう完璧なルックスである。ちなみに値段は1500円。ラーメンが1杯1000円以上もする時代。同じものを祇園とか観光地で食べたら、少し器を高級なものに入って軽く3000円以上はするのではないだろうか。

最初、「かきごはん」と「刺身」を注文しようと思ったが、「刺身定食」のごはんを「かきごはん」に変更した方がコスパが高いと女性店員に教えてもらう。これで1500円
鯛、まぐろ、あわびなどが入った鉢。見た目も美しい

 さっそくかきごはんからいただく。しょうがの香りがぷんと効いており、とてもおいしい。続けて、お刺身。鯛、まぐろだけでなく、あわびまで入っている。もちろん最高だ。一緒に頼んだ焼酎のお湯割を飲むと、幸せな気持ちになった。

 夢中で食べ、すべていただく。ごちそうさまでした。

 入口の方を見ると、何組か並んでいるようだ。お待たせするのも悪いので、すぐにお勘定を済ませ、再び、洋館のある三条通を歩いて帰った次第である。

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記事執筆者

森本 守人 / サテライトスコープ代表

 京都市出身。大手食品メーカーの営業マンとして社会人デビューを果たした後、パン職人、ミュージシャン、会社役員などを経てフリーの文筆家となる。「競争力を生む戦略、組織」をテーマに、流通、製造など、おもにビジネス分野を取材。文筆業以外では政府公認カメラマンとしてゴルバチョフ氏を撮影する。サテライトスコープ代表。「当コーナーは、京都の魅力を体験型レポートで発信します」。

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