「段ボール箱の処分」問題に見た、アマゾンのカスタマーファーストの姿勢
アマゾンから届いた1通のメール
ただ、私的には日進月歩を認めつつも、アマゾンの梱包には、まだまだ不満を持っている。
それというのも、商品の大きさに比して過剰包装ともいうべき、段ボールが次々と配送されてくるからだ。ネームペン1本が段ボールに入って到着することもしばしばだ。
その結果、迷惑としか表現できない量の段ボールに我が家は占拠され、そのたびに捨てることに一苦労を強いられる。新聞紙や雑誌とともに古紙に分類される段ボールは1週間に一度の回収なので、多い時には家の中が段ボールだらけになってしまう。
なんとかならないものかとうんざりとしていたところ、アマゾン ジャパンから1通のメールが届いた。
私が過去に注文したある商品について、「配送した商品の状態や梱包方法など、アマゾン ジャパンに対する意見と評価を聞かせてほしい。今後の改善の参考にしたい」という内容だった。
ずいぶん前にある食品スーパー企業が運営するネットスーパーに500mℓのペットボトルを24本注文したところ、6本ずつ入れられた4つの2重包装レジ袋が届いたことがあった。リアル店舗の店頭では、業界の先陣を切ってレジ袋を有料化し、環境保全に注力している割には、ネットスーパーでは、こんな有様なのでびっくりしたものだ。
その後、この梱包については改善が図られ、24本ならばメーカー仕様の段ボールケースで届くようになったが、私が意見を聴取されたことは過去に一度もなく、加工食品や生鮮食品の梱包には依然として問題が残る。
ところがアマゾンの場合は、自らがお客のもとを訪れ、尋ね、業務改善や梱包改善に役立てている。企業規模が拡大しても、「Customer First(カスタマーファースト)」を標榜し実践している。
SDGs的な観点からも、ECの梱包材問題は火急の課題と言っていい。同社がこの問題をいかに向き合って解決していくのか、しっかり見届けたい。
千田直哉の続・気づきのヒント の新着記事
-
2024/09/02
魅力的な売場…抽象的な誉め言葉の意味を明確化するために必要なこととは -
2024/08/02
日本酒類販売社長が語る、2023年の酒類食品流通業界振り返り -
2024/07/03
「何にでも感激する経営者」の会社が業績が良い“意外な”理由 -
2024/06/07
経費率16%なのに?ローコスト経営企業が敗れ去るカラクリとは -
2024/05/23
キットカットをナンバーワンにしたマーケター「アイデアより大事なこと」とは -
2024/04/15
スーパーマーケット業界のゲームチェンジャー、オーケー創業者・飯田勧氏の経営哲学とは
この連載の一覧はこちら [1799記事]
アマゾンの記事ランキング
- 2024-10-05次世代型「AIショッピングアシスタント」とは
- 2024-05-29利用減少から一転、会員数過去最高のアマゾン・プライム 復調の理由は?
- 2019-06-21アマゾン×ライフに立ちはだかる 生鮮宅配の王者、生協の壁
- 2019-12-30英料理配達企業へのアマゾン出資巡る調査、第2段階に移行=当局
- 2020-07-07数々の米アパレルを死に追いやったアマゾン・エッセンシャルズ静かに日本に上陸
- 2021-11-10「アマゾン・ブックス」の凄みがわからなければ、デジマの本質は理解できないといえる理由
- 2023-04-19アマゾンゴー米国8店舗閉鎖の理由と、クローガーの年10億 ドルリストラ策
- 2024-08-28米アマゾンがレジレス戦略見直し! 「ダッシュカート」を大規模展開へ
- 2020-01-31アマゾン、19年度の売上高は20.1%増、サブスクやAWSの高成長続く
- 2020-12-02米大手スーパーが導入した自動ショッピングカート洗浄機は日本にも上陸するか?