キッコーマン代表取締役社長CEO 堀切 功章
長年培ってきたノウハウを生かし新たな価値を提供する!
ノウハウを農業や健康事業に応用
──13年10月に日本デルモンテアグリ(東京都/末永和也社長)を設立し農業事業に参入しました。具体的にはどのようなことに取り組むのでしょうか。
堀切 当社のグループ企業に、トマトケチャップやトマトジュースなどのトマト加工品を中心に製造してきた日本デルモンテ(群馬県/安藤公夫社長)があります。昔から原料のトマトの品質改良と品種開発を行っており、保有するトマトの品種は約8000品種にものぼります。現在では、トマトだけでなく、パプリカやゴーヤなど20種類以上、約60品目の野菜苗を販売しています。
新たに設立した日本デルモンテアグリは、日本デルモンテが展開しているトマトを中心とした野菜苗事業を承継し、新たに生果トマト事業に参入します。甘味が強い、虫がつかないといった品種改良をした家庭菜園用のトマトの苗を販売したり、出資先である「カズサとまとガーデン」が、生食用のトマトの栽培、販売をしてまいります。
農業は国家の成長戦略の1つに掲げられているテーマですし、当社も重要な新規事業の1つと位置づけています。
──サプリメントなど新たな健康関連事業も積極的に取り組まれていますね。
堀切 医療費の増加が社会問題となっていますが、誰しも病気になりたくてなるわけではありません。
「食と健康」を事業領域とする当社が長年培ってきたノウハウや技術を生かせる分野で病気を予防するお手伝いをしようと考えています。
そのため、病気になってから使用する医薬品ではなく、毎日のバランスが良い健康的な食事を補佐する分野に取り組んでいきます。
10月には、女性向けのサプリメント「からだ想い 基本のサプリ」を「キッコーマン からだ想い」という専用サイトで販売開始しています。
既存の醤油事業でも、「まめちから 大豆ペプチドしょうゆ」だけでなく、「減塩」でかつおいしい醤油の開発にも取り組み続けています。
また、当社は1914年から病院を経営しており、今年9月にはポプラ社から『キッコーマン総合病院監修 はじめての節塩定食』という書籍を出版していただきました。
このように、健康を意識した商品とともに、健康になるための情報をお客さまにお届けしていきたいと考えています。当社は「食で健康」、つまり、食事を通じてお客さまに健康になっていただくことをめざしているのです。