SKUとは?SKUはどう数えるのが正しい?SKU管理のメリット、デメリットも解説!
SKUとは
SKUとは、在庫保管単位(Stock Keeping Unit)の略であり、メーカーや小売業界における在庫管理の最小単位を意味する。
たとえばスーパーやドラッグストアでは、SKU単位でメーカー・卸に商品を発注し、商品が入ってきたら入庫処理し月末にはたな卸をする。つまり、商品管理はSKU単位で回っていることになる。
また、一般的に同じアイテムでも、サイズが違えばSKUが異なる。色や香りでもSKUは変わる。たとえば、洗濯用柔軟剤に4種類の香りと、さらにボトルサイズがそれぞれに3種類あれば、これは4香調×3サイズ=12SKUとカウントされる。
流通の現場において、SKUは一般的に商品に表示または添付・貼付されたJANと呼ばれる商品識別コードによって認識される。JANコードは、13桁および短縮版8桁の2種類が存在するが、13桁の場合は事業者コード(9桁または7桁)、商品アイテムコード(3桁または5桁)及びチェックデジット1桁で構成される。つまりJANコードには、製造・販売事業者と商品アイテムといった、SKU認識に必要な情報が格納されているのだ。
商品が納入されてきたら、小売店はバーコードリーダーでJANを読み取り、在庫として計上する。たな卸の時も売上計上の時も、バーコードで認識する。つまり、JANコードの仕組みがSKU管理を支えているといえる。
SKUのメリット
SKUのメリットは、効率的な在庫管理にある。SKUの概念とJANコードは、メーカー・物流業者・ホールセラー・流通チャネルすべての共通言語だ。つまりSKUとJANコードがサプライチェーンの上流から下流までを背骨として支えているのだ。だからこそ、流通段階別の在庫状況もSKU単位でリアルタイムで把握できる。
商品アイテムのリニューアルや販促キャンペーンに当たっても、SKU管理はフレキシブルに機能する。商品リニューアルが若干の改良にとどまるなら、新旧アイテムを同一SKUで管理すれば、切り替え時の在庫ロス発生を防止できる。
SKUのデメリット
SKUのデメリットは、管理の難しさとコストにある。多アイテムの商品仕分け・陳列や販促施策展開にはSKU管理が大前提となるわけだが、効率よくハンドリングできるようになるまでには一定の経験値が必要だ。バーコードリーダーや在庫管理ソフトの導入・運用にもコストがかかり、小規模店舗にとってはつらい部分もある。
化粧品専門店や個人経営のアパレルショップの中には、自分で管理できる範囲内にアイテム数を絞り、あえてSKU管理にこだわらない店舗もある。
SKUの実例
SKUの実例として、ヤフーに買収されたZOZO(千葉県)の強みについて紹介する。2019年、前澤友作氏率いるZOZOはヤフーの傘下に入った。そもそも出店者が小売業者中心のヤフーに対し、ZOZOはメーカーが主体で、販売面で相互にシナジーが働くとも思えない。では、なぜヤフーはZOZOが欲しかったのか。
ヤフーになくてZOZOにあるもの、それは高いSKU管理能力を基盤としたフルフィルメントサービスだ。フルフィルメントサービスは、膨大な数のアイテムを迅速に仕分・梱包・出荷するサービスだ。ECの弱点はリアル店舗と違って、商品がすぐ手元に届かない点にある。だからこそ、注文と配送は極力短いのが望ましい。
ZOZOは大消費地に隣接する物流拠点・倉庫における作業効率の高さ・抜きんでた在庫直行率により高いSKU管理とフルフィルメントサービスを実現している。その高い能力は競合を寄せ付けず、いまからヤフーが追いつくのはもはや不可能だ。だからこそヤフーは、買収による解決を図ったとされている。