価格弾性値(価格弾力性)って何? 商品の価格設定には欠かせないマーケティング用語

読み方:かかくだんせいち
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価格弾性値(価格弾力性)という言葉をご存知でしょうか。「聞いたことない」、「聞いたことはある」、「なんとなく知っている」といった方が多いかもしれません。日常生活ではあまり聞き慣れない言葉ですが、商品の適切な価格設定を行なう際にはぜひ理解しておきたいマーケティング用語の一つです。今回は、価格弾性値について詳しく解説していきます。

価格弾性値とは?

価格弾性値とは価格弾力性とも呼ばれ、商品価格が変動した際に見られる、需要/供給の変化の割合を数値化したものです。価格弾性値の意味を理解しておくことで、価格が消費に対してどのような影響を与えているか把握しやすくなります。

価格弾性値は、基準値「1」を下回ると価格弾力性が小さい、「1」を上回れば価格弾力性が大きいと表現されます。

一般的に、ティッシュ・トイレットペーパー・米・野菜などの生活必需品は、価格弾性値が小さい傾向にあります。生活必需品は少し価格が高くなったとしても、生活に必要不可欠なので需要も供給も変化が少ないのです。

また、野菜は天候など自然要因に左右されるため、意図的に供給量を調節することが難しく、供給の価格弾性値は低くなります。仮に野菜の価格が下がったとしても、消費者は急に野菜だけを食べるわけではないので、消費量が増えることはなく需要の価格弾性値も小さくなります。

一方、価格弾性値が大きいのは車・ブランド品・不動産・宝石などです。これらは今すぐ必要なものではないので、商品価格が上がると需要は減り、セールなどで価格が下がれば需要が一気に高まる傾向にあります。

まとめると生活必需品は価格弾性値が小さく、ブランド品や車など贅沢品は価格弾性値が高いといえるでしょう。

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価格弾性値の計算方法

ここからは実際に価格弾性値(価格弾性力)の計算方法を、理解しやすいように例を用いてご説明します。
価格弾性値は「需要/供給の変化率÷価格の変化率」で求めることができます。

例えば、飲食店で唐揚げの価格を15%値上げしたことにより、需要が10%減ったとします。この場合、需要の変化率は10%、価格の変化率は15%となり先ほどの式に当てはめると、以下になります。

10%(需要の変化率)÷15%(価格の変化率)= 0.66……(価格弾性値)

この場合「1」より数値が小さいので、「需要の価格弾性値は小さい」ということができます。

また、唐揚げの値段を15%値上げしたことにより、需要が20%減ったとすると、以下のようになります。
20%(需要の変化率)÷15%(価格の変化率)=1.33……(価格弾性値)

この場合、「1」より数値が大きいので「需要の価格弾性値は大きい」といえるのです。

価格弾性値の活用方法

スーパーでの仕事風景

価格弾性値を活用することで、今後自社の商品やサービスが、どのように価格変化していくかを予測することができます。

ここからは、価格弾性値の実際の活用方法をご紹介します。

価格弾性値の実際の活用方法

価格弾性値の活用方法としてまず挙げられるものが、価格変動によるリスク回避です。
例えば、競合他社より価格弾性値のデータをより細かく収集・分析することで、トータルでの利益を最大化できるよう、価格設定を行なえます。

また、野菜など天候に左右されるものでも、あらかじめ最悪の事態を想定して価格変動に備えておけば、リスクを最小限に抑えられるでしょう。

その他、価格弾性値は商品分析にも活用可能です。販売している商品の価格弾性値を把握しておくことで、商品の現在の価格が本当に適正かを判断する材料になります。

仮に価格弾性値が小さいもので、まったく売れていなければ、価格ではなく商品そのものに問題があると推測できます。反対に価格弾性値が大きいものでなかなか売れない商品があるのなら、価格設定に問題があると考えられます。

このように、各商品の価格弾性値を細かく理解しておくことで、商品やサービスのキャンペーン・セールに活かし、利益の最大化を図れるのです。

前述したとおり、「価格弾性値が大きい」商品やサービスはキャンペーン・セールに適しています。売れない商品やサービスがある場合、「価格弾性値が大きい」ものからキャンペーンやセールを行なってみましょう。

まとめ

今回は価格弾性値(価格弾力性)について解説しました。価格弾性値とは、商品価格が変動した際に見られる、需要/供給の変化の割合を数値化したもので、価格が消費者の行動に対してどのような影響を与えるかを考える重要な指標です。

うまく活用することで、価格変動によるリスク回避や商品の分析、セール・キャンペーンなどに役立つでしょう。

商売をされている方、今後商売を考えている方はこの機会に、価格弾性値がどのようなものかを理解し、利益向上のために活用してみてください。

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