財務省が2日発表した7~9月期の法人企業統計調査によると、全産業(金融業と保険業は除く)の経常利益は前年同期比3.3%減の23兆124億円となった。前年7~9月期は過去最高益を記録したが、今回は自動車など輸送用機械が落ち込み、7四半期ぶりの減益となった。設備投資は8.1%増加した。
経常利益は、製造業が15.1%減の8兆1021億円と、4期ぶりに減益となった。業種別では輸送用機械が16.8%減。海外で販売競争が激化したほか、研究開発費の増加も響いた。石油・石炭業は原油価格の下落などで損失に転じた。
非製造業の経常利益は4.6%増の14兆9102億円で15期連続の増益。サービス業が配当収入の増加などで64.3%増。情報通信業はデジタル投資の増加などが寄与し、10.8%の増益だった。
設備投資は13兆4110億円で14期連続で増加。半導体の需要増加に伴う生産能力増強投資で情報通信機械が21.0%増となったほか、駅周辺の開発投資などで運輸・郵便業が32.7%増だった。
売上高は2.6%増の377兆2965億円。7~9月期としての過去最高を更新した。