【北京時事】中国国家統計局が18日発表した7~9月期の国内総生産(GDP)は、物価変動の影響を除いた実質ベースで前年同期比4.6%増加した。前期の4.7%増から減速し、政府が年間目標に掲げる「5%前後」も下回った。当局は危機感を強めている。
中国では、家計の主な資産である不動産の価格下落に歯止めがかからず、個人消費に打撃となっている。1~9月期の不動産開発投資は前年同期比10.1%の大幅減。この結果、幅広い投資動向を示す都市部固定資産投資は3.4%増にとどまった。
この日発表された9月の住宅販売動向によると、主要70都市のうち、66都市で前月から新築物件価格が下がった。8月より1都市少ないものの、国内の大部分で値下がりが続く。
一方、9月の小売売上高は前年同月比3.2%増加した。消費の柱となる自動車は0.4%増と低迷し、金銀宝飾類や化粧品はマイナス。鉱工業生産は5.4%増だった。
中国人民銀行(中央銀行)は9月下旬、主要な短期政策金利の引き下げを含む大規模な金融緩和に踏み切った。10月以降も、政府高官が財政支出の拡大を表明するなど、景気てこ入れに向けた取り組みを加速している。