8月の米消費者物価、2.5%上昇=3年半ぶり低水準
【ワシントン時事】米労働省が11日発表した8月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比2.5%上昇した。伸び率は5カ月連続で縮小し、2021年2月以来3年半ぶりの低水準となった。市場予想(2.6%上昇)も下回り、インフレの鈍化傾向が確認された。
インフレ圧力の弱まりを受け、連邦準備制度理事会(FRB)が今月17、18日の金融政策会合で利下げ開始を決めることが確実な情勢となった。変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数は前年同月比3.2%上昇で、伸び率は前月から変わらず。
項目別では、中古車・トラックが前年同月比10.4%低下、ガソリンも10.3%低下と、それぞれ大きく下がった。一方、サービス価格(エネルギー関連除く)は4.9%上昇と、家賃など住居費の値上がりを背景に引き続き高い伸びを示した。
パウエルFRB議長は8月下旬の講演で、インフレ鈍化や雇用減速を受け、金融緩和の方向へ政策を転換する「時が来た」と発言し、次回会合での利下げ開始を明示した。焦点は引き下げペースとなっている。
◇8月の米CPI概要
消費者物価指数 0.2(前年同月比2.5)
コア指数 0.3(前年同月比3.2)
エネルギー ▲0.8
燃料油 ▲1.9
ガソリン ▲0.6
衣料 0.3
新車 0.0
中古車 ▲1.0
帰属家賃 0.5
航空運賃 3.9
(注)前月比%上昇、▲は低下。季節調整後。前年同月比は季節調整前