財務省が2日発表した4~6月期の法人企業統計調査によると、全産業(金融業と保険業は除く)の経常利益は前年同期比13.2%増の35兆7680億円で、比較可能な1954年4~6月期以降で過去最大となった。増益は6四半期連続。歴史的な円安や価格転嫁の進展を受け、製造業、非製造業ともに最高額を更新した。設備投資は7.4%増加した。
製造業の経常利益は前年同期比13.0%増の12兆7294億円。海外で自動車など輸送用機械の販売が好調だったほか、円安により円換算での利益が増えた。非製造業は13.3%増の23兆386億円。飲食店などのサービス業が客数の回復や新規出店効果で大きく伸びた。
設備投資は11兆9161億円で、13四半期連続の増加。半導体などの需要増を受け、情報通信機械や電気機械の生産能力増強投資が拡大した。
一方、企業の利益から税金や配当など外部流出分を差し引いた2023年度末の内部留保(利益剰余金)は前年度比8.3%増の600兆9857億円と、初めて600兆円を突破。好調な企業収益を背景に12年連続で過去最高を更新した。
財務省は調査結果について、景気の緩やかな回復を反映していると指摘。その上で「海外景気の下振れや物価上昇の影響を含め、企業の動向を注視したい」(担当者)と説明した。