【ワシントン時事】米労働省が14日発表した7月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比2.9%上昇した。伸び率は前月(3.0%)から縮小し、4カ月連続で鈍化。2021年3月以来3年超ぶりに3%を割り込んだ。市場予想も下回り、インフレの鈍化基調が続いていることが確認された。
変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数は前年同月比3.2%上昇。伸び率は前月(3.3%)から縮小した。インフレ圧力の緩和を受け、市場では連邦準備制度理事会(FRB)が9月の次回金融政策会合で利下げを決めることが確実視されており、焦点は利下げ幅となっている。
項目別では、中古車・トラックが前年同月比10.9%の大幅低下、ガソリンも2.2%下がった。一方、サービス価格(エネルギー関連を除く)は4.9%上昇と、伸びは高止まりした。
パウエルFRB議長は7月末の前回政策会合後の記者会見で、インフレ鈍化が想定通りに進めば、「9月の会合で利下げが検討される可能性がある」と明言した。物価動向や雇用情勢などを慎重に見極めた上で、利下げ幅を判断するとみられる。
◇7月の米CPI概要
消費者物価指数 0.2(前年同月比2.9)
コア指数 0.2(前年同月比3.2)
エネルギー 0.0
燃料油 0.9
ガソリン 0.0
衣料 ▲0.4
新車 ▲0.2
中古車 ▲2.3
帰属家賃 0.4
航空運賃 ▲1.6
(注)前月比上昇率(%)、▲は低下。季節調整後。前年同月比は季節調整前