【ワシントン時事】米労働省が11日発表した6月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比3.0%上昇した。伸び率は3カ月連続で縮小し、市場予想も下回った。インフレ鈍化基調が確認されたことで、市場では米連邦準備制度理事会(FRB)が9月会合で利下げを決めるとの観測が強まりそうだ。
CPIは前月比では0.1%低下した。変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数は前年同月比3.3%上昇で、伸び率は前月から小幅縮小した。インフレ圧力の減退が示された形だ。
項目別では、コロナ禍を背景とした供給不足により値上がりしていた中古車・トラックが前年同月比10.1%の大幅低下。一方、サービス価格(エネルギー関連を除く)は5.1%上昇と、引き続き高い伸びを示した。
米インフレ率はピークから大きく下がったものの、今年に入って低下のペースは緩やかとなっている。FRBは政策金利を現行の年5.25~5.50%と、「景気抑制的」な水準に当面維持することで需要を冷まし、インフレ圧力の沈静化を目指す方針だ。
パウエルFRB議長は利下げ開始の前提として、持続的なインフレ鈍化に向け「一層の確信」が必要との見方を示している。
◇6月の米CPI概要
消費者物価指数 ▲0.1(前年同月比3.0)
コア指数 0.1(前年同月比3.3)
エネルギー ▲2.0
燃料油 ▲2.4
ガソリン ▲3.8
衣料 0.1
新車 ▲0.2
中古車 ▲1.5
帰属家賃 0.3
航空運賃 ▲5.0
(注)前月比%上昇、▲は低下。季節調整後。前年同月比は季節調整前