【ワシントン時事】米労働省が12日発表した5月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比3.3%上昇した。伸び率は前月(3.4%)から低下し、市場予想も下回った。低下は2カ月連続。前月比では2022年7月以来、1年10カ月ぶりに横ばいとなった。
変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数は前年同月比3.4%上昇と、伸び率は前月から縮小。ただ、依然として物価安定からは程遠い水準で、連邦準備制度理事会(FRB)はこの日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を7会合連続で据え置くとみられる。利下げを急がず、経済と物価の動向を見極める方針だ。
項目別では、コロナ禍での供給不足により値上がりしていた中古車・トラックが9.3%低下。一方、サービス価格(エネルギー関連を除く)は5.3%上昇と、根強い住居費上昇などを背景に、引き続き高い伸びを示した。
米国のインフレ率はピークから大きく下がったが、今年に入って低下の動きは停滞気味だ。FRBは政策金利を現行の年5.25~5.50%と「景気抑制的」な水準に当面維持することで、旺盛な需要を抑え、インフレ圧力の沈静化を図る意向だ。
◇5月の米CPI概要
消費者物価指数 0.0(前年同月比3.3)
コア指数 0.2(前年同月比3.4)
エネルギー ▲2.0
燃料油 ▲0.4
ガソリン ▲3.6
衣料 ▲0.3
新車 ▲0.5
中古車 0.6
帰属家賃 0.4
航空運賃 ▲3.6
(注)前月比%上昇、▲は低下。季節調整後。前年同月比は季節調整前