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米物価、2.7%上昇=インフレ鈍化進まず―4月

米ニューヨークで買い物袋を持って歩く男性
〔写真説明〕3月7日、米ニューヨークで買い物袋を持って歩く男性(EPA時事)

 【ワシントン時事】米商務省が31日発表した4月の米個人消費支出(PCE)物価指数は、前年同月比2.7%上昇した。伸び率は前月から横ばいで、市場予想と同水準。インフレ鈍化が進んでいない状況が改めて示された。

 価格変動が激しいエネルギーと食品を除いたコア指数は2.8%上昇で、伸び率は前月から変わらず。いずれも連邦準備制度理事会(FRB)が物価目標に据える2%を上回った。

 項目別では、耐久財などモノの価格が0.1%上昇。一方、サービス価格は3.9%の大幅な上昇となった。堅調な労働市場を背景に、人件費がコストの大部分を占めるサービス分野で物価上昇の勢いが保たれている。 

 米国のインフレ率はピークから大きく下がったものの、最近は足踏み状態。根強いインフレ圧力を踏まえ、FRBは政策金利を年5.25~5.50%に当面据え置く方針だ。パウエル議長は現在の高金利維持が「景気を冷まし、最終的にはインフレを鈍化させる」との見方を示している。

 4月の個人消費は前月比0.2%増と、伸びは3月から鈍化。好調だった消費に、陰りが見えつつある。

◇米PCE物価指数
              3月   4月
PCE   前月比    0.3  0.3
      前年同月比  2.7  2.7
PCEコア 前月比    0.3  0.2
      前年同月比  2.8  2.8
個人消費・所得
個人所得  前月比    0.5  0.3
可処分所得 前月比    0.5  0.2
個人消費  前月比    0.7  0.2
 モノ   前月比    1.1 ▲0.2
 耐久財  前月比    0.3 ▲0.3
 非耐久財 前月比    1.5 ▲0.1
 サービス 前月比    0.6  0.4
貯蓄率          3.6  3.6

(注)単位%、貯蓄率を除き上昇/増加、▲は低下/減少 〔写真説明〕米商務省=ワシントン(AFP時事)