【シリコンバレー時事】生成AI(人工知能)「チャットGPT」を手掛ける米オープンAIは28日、「安全・セキュリティー委員会」を設置したと発表した。安全対策などの重要な決定に関する提言を行う。高まるガバナンス(企業統治)に対する批判を払拭する狙いがありそうだ。
テイラー会長ら社外取締役3人に加え、アルトマン最高経営責任者(CEO)や社内の専門家らが参加する。開発プロセスや安全対策を評価し、取締役会に改善策を提言する役割を担う。同社は提言後の対応を公表する。
オープンAIはこの日、次世代の生成AIの基盤モデル開発に着手したことも明らかにした。人間を超える汎用(はんよう)人工知能(AGI)の実現を見据え、さらなる機能強化を進める。提供時期は非公表。
同社は13日に最新の基盤モデル「GPT―4o(オー)」を発表したが、対話に使われる音声の一つが米女優スカーレット・ヨハンソンさんの声に酷似しているとの指摘が相次いだ。本人の声ではないと釈明したものの、この音声は利用停止に追い込まれた。
また、時期を同じくして、AGIへの対策として昨年編成したチームの解体が判明。担当幹部2人が退社し、安全性への懸念が高まっていた。