【ワシントン時事】米労働省が15日発表した4月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比3.4%上昇した。伸び率は市場の予想通りで、前月(3.5%)から3カ月ぶりに鈍化した。
変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数は3.6%上昇と、伸び率は前月から縮小。2021年4月以来、3年ぶりの低水準となった。
ただ、依然として物価安定からは程遠く、連邦準備制度理事会(FRB)は持続的なインフレ鈍化の確信が得られるまで、政策金利を据え置く構えだ。
項目別では、中古車・トラックが6.9%低下。一方、サービス価格(エネルギー関連を除く)は5.3%上昇と、根強い住居費値上がりなどを背景に、引き続き高い伸びを示した。
米国のインフレ率はピークから大きく下がったものの、今年に入ってからは「一段の進展が見られない」(パウエルFRB議長)状況。現在の政策金利(年5.25~5.50%)は01年以来の高さで、「景気抑制的」とされる。FRBは金利を当面維持して需要を冷まし、インフレの沈静化を図る方針だ。
◇4月の米CPI概要
消費者物価指数 0.3(前年同月比3.4)
コア指数 0.3(前年同月比3.6)
エネルギー 1.1
燃料油 0.9
ガソリン 2.8
衣料 1.2
新車 ▲0.4
中古車 ▲1.4
帰属家賃 0.4
航空運賃 ▲0.8
(注)前月比%上昇、▲は低下。季節調整後。前年同月比は季節調整前