【ワシントン時事】米労働省が12日発表した2月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比3.2%上昇した。伸びは前月(3.1%)から小幅に拡大し、市場予想(3.1%)も上回った。インフレ圧力が根強いことが示された。
変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数は3.8%上昇。伸びは前月(3.9%)から若干鈍化した。
項目別では、ガソリンが3.9%低下し、コロナ禍による供給網混乱で値上がりした中古車・トラックは1.8%下がった。一方、サービス価格(エネルギー関連を除く)は5.2%上昇と、引き続き高い伸びだった。
米国のインフレ率は、2022年半ばのピークから大きく低下。連邦準備制度理事会(FRB)は「今年のある時点」(パウエル議長)での利下げを視野に入れている。
ただ、賃金が上がったことで人件費が大きく反映されるサービス業では依然として価格上昇圧力が残っており、インフレ緩和のペースは鈍い。FRBは来週19、20日の金融政策会合で、インフレ再燃リスクもにらみ、利下げ開始時期を慎重に探るとみられる。
◇2月の米CPI概要
消費者物価指数 0.4(前年同月比3.2)
コア指数 0.4(前年同月比3.8)
エネルギー 2.3
燃料油 1.1
ガソリン 3.8
衣料 0.6
新車 ▲0.1
中古車 0.5
帰属家賃 0.4
航空運賃 3.6
(注)前月比%上昇、▲は低下。季節調整後。前年同月比は季節調整前