【パリ時事】経済協力開発機構(OECD)は5日発表した最新の経済見通しで、2024年の世界の成長率を2.9%と、昨年11月の前回予測から0.2ポイント引き上げた。低迷が続くドイツ中心のユーロ圏を引き下げ、個人消費が旺盛な米国を上方修正した。
成長率見通しを国・地域別に見ると、ユーロ圏は従来比0.3ポイント低下の0.6%。昨年はマイナス成長だったドイツを0.3%に下方修正したことが響いた。一方、米国は労働市場の好調さなどを踏まえて2.1%と、0.6ポイント引き上げた。日本は1.0%、中国は4.7%に据え置いた。
インフレ率は、順調に低下している米国を従来比0.6ポイント下方修正し、2.2%と予想。ユーロ圏も0.3ポイント引き下げ、昨年の5.4%から2.6%に減速すると見込んだ。日本は2.6%に据え置いた。
ただ、OECDは急激な利上げの影響が利息負担などの形で家計・企業に残ると指摘。長期化すれば、成長鈍化のリスクになると警告した。
OECDは昨年の世界成長率も底堅く推移したとして、従来予想から0.2ポイント引き上げ、3.1%に改めた。
◇OECDの2024年見通し
経済成長率
世界 2.9 (0.2)
日本 1.0 (0.0)
米国 2.1 (0.6)
ユーロ圏 0.6(▲0.3)
中国 4.7 (0.0)
インフレ率
日本 2.6 (0.0)
米国 2.2(▲0.6)
ユーロ圏 2.6(▲0.3)
(注)単位%。カッコ内は昨年11月の予測からの変化幅。▲はマイナス