米GDP、3.3%増=景気、強さ維持―10~12月期
【ワシントン時事】米商務省が25日発表した2023年10~12月期の実質GDP(国内総生産)速報値は、季節調整済み年率換算で前期比3.3%増と、前期(4.9%増)から鈍化した。ただ、旺盛な個人消費などに押し上げられ、高い伸びを維持。6四半期連続のプラス成長で、市場予想(2.0%増)も大きく上回った。
23年通年のGDP伸び率は前年比2.5%と、22年の1.9%から加速。米連邦準備制度理事会(FRB)はインフレを抑制するため大幅な利上げを進めたが、景気は強さを保った。
10~12月期のGDPでは、全体の約7割を占める個人消費が2.8%増(前期3.1%増)で引き続き堅調。住宅投資は1.1%増と、2期連続のプラスだった。輸出は6.3%増、設備投資も1.9%増だった。
FRBの金融引き締めに加え、コロナ禍の影響による供給網混乱が収まったことも奏功し、米国のインフレ率はFRB目標の2%に向けて低下基調にある。
インフレ鈍化を受け、FRBは24年内の政策金利引き下げ開始を視野に入れる。市場では、今年前半にも利下げに踏み切るとの観測が浮上している。
◇10~12月期の米GDP速報値
国内総生産(GDP) 3.3( 4.9)
個人消費支出 2.8( 3.1)
設備投資 1.9( 1.4)
住宅投資 1.1( 6.7)
輸出 6.3( 5.4)
輸入 1.9( 4.2)
政府支出 3.3( 5.8)
国内最終需要 2.7( 3.5)
GDPデフレーター 1.5( 3.3)
PCE 1.7( 2.6)
PCEコア 2.0( 2.0)
(注)増減は前期比年率(%)、▲はマイナスまたは低下、カッコ内は7~9月期