【北京時事】中国税関総署が20日公表した貿易統計の詳報によると、2023年の原油輸入先の首位はロシアだった。前年比24.1%増の1億702万トンと、22年にトップだったサウジアラビア(8596万トン)を上回った。ウクライナ侵攻を受けて日米欧から制裁を科されているロシアを中国が経済的に支える構図が改めて鮮明になった。
ロシアの首位は18年以来5年ぶりで、同国産が1億トンを超えたのは初めて。全体に占める比率も2割近くに上昇し、税関総署がホームページにデータを公表している15年以降で最も高かった。
金額ベースでは3.5%増の606億ドル(約8兆9800億円)となり、20年の2倍超に膨らんだ。対ロ輸入総額(1291億ドル)の半分近くに達した。
一方、ロシア向けの輸出では、欧米メーカーの撤退を背景に自動車が急増した。
中ロは経済的な相互依存を一段と深めており、23年の貿易総額は2401億ドルと、24年までに2000億ドルに増やす目標を1年前倒しで達成した。中国商務省の報道官は今月の記者会見で、「中ロの経済と貿易を巡る協力は安定的に発展している」と説明した。