対中投資、11年ぶり減少=経済先行きに懸念―23年
【北京時事】中国商務省が19日発表した2023年の世界の対中直接投資は、前年比8.0%減の1兆1339億元(約23兆6000億円)だった。ロイター通信によると、マイナスは12年以来11年ぶり。不動産不況の長期化で、中国経済の先行きに対する懸念が外資企業の間で広まったためとみられる。
23年の中国の国内総生産(GDP)は5.2%増にとどまった。新型コロナウイルスの感染拡大でサプライチェーン(供給網)などが混乱した前年からは上向いたものの、基幹産業の不動産は低迷したまま。24年の成長率は一段と減速する可能性が高い。
加えて、中国では23年7月に改正反スパイ法が施行されるなど、「外資に対する規制の強まり」(日系企業幹部)も投資を鈍らせたもようだ。同法違反容疑で日本人駐在員が拘束された後、逮捕される事態も発生し、「中国リスク」が急速に意識されるようになっている。 〔