「買い物効率化」技術、世界展開=小売りのトライアル、米業界見本市で披露
【ニューヨーク時事】IT技術の積極導入により、業務効率化と顧客満足度の向上を推進する小売り業のトライアルホールディングス(福岡市)。米ニューヨークで開催中の全米小売業協会(NRF)年次見本市で、今年は同社単独ではなく提携先の東芝テックと共同出展した。日本国外でもトライアルと提携企業が誇る小売り関連技術を披露し、世界戦略を本格的に始動させた形だ。
トライアルが特に売り込んでいるのは決済機能付きレジカートの「スキップカート」。レジの会計待ちで長い時間を費やす必要がなく、商品のスキャン漏れを防ぐ自動検知アラーム装置も搭載し、日本で既に約2万台を導入した実績を持つ。トライアルは自社の小売り店舗以外でスキップカート導入を加速させたい構えだ。
一方、東芝テックは昨年12月、「未来の小売店」がコンセプトの次世代スマートストアを千葉県に開業。トライアルも店舗運営で協力している。今回の見本市では、この店舗に設置された東芝テックの人工知能(AI)防犯システムなども紹介された。
トライアル取締役でIT技術担当子会社を率いる永田洋幸氏は、トライアルの右肩上がりの売上高について「先端技術を導入しながら取り組んでいるのが理由」と迷わず明言。「日本では少子高齢化、地方創生、人手不足の課題がある」と指摘した上で「他の先進国にも少子高齢化の問題がある。スキップカートなどを使えば商品をチェックする人を介さずに買い物ができる」と述べ、実店舗で検証済みの技術を日本国外でも普及させることに意欲を示した。