【北京時事】中国国家統計局が12日発表した2023年の消費者物価指数(CPI)は前年比0.2%上昇にとどまった。金融危機の影響でマイナスだった09年以来14年ぶりに低い水準。景気が冷え込む中、需要が低迷しており、デフレ懸念が強まっている。
中国では国内総生産(GDP)の3割を占める不動産関連産業の不振が景気回復に向けた足かせとなっている。雇用が伸び悩む中、先行きへの不安が社会にまん延。企業や家計は財布のひもを固くしたままだ。
23年の物価上昇率は政府目標の「3%前後」を大きく下回っており、22年と比べると1.8ポイント下がった。原油安を背景にガソリンなどの価格がマイナスに転じたほか、物価に大きく影響する豚肉の下落幅が広がったことが主因だが、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアインフレ率も上昇幅が縮小した。
一方、卸売物価指数(PPI)は3.0%低下。マイナスは新型コロナウイルスの感染が広がった20年以来3年ぶりとなり、企業活動の停滞が示された。
23年12月のCPIは前年同月比0.3%低下、PPIは2.7%低下だった。