【ワシントン時事】米労働省が12日発表した11月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比3.1%上昇した。最近のガソリンなどエネルギー価格の低下を反映し、伸びは前月(3.2%)を下回り、2カ月連続で鈍化した。市場予想も3.1%上昇だった。インフレの勢いが鈍る中、米連邦準備制度理事会(FRB)は13日、3会合連続で政策金利を据え置く見通しだ。 変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数は4.0%上昇と、前月から変わらなかった。
項目別では、ガソリンが8.9%低下。コロナ禍による供給不足で値上がりしていた中古車・トラックは3.8%低下。一方、サービス価格(エネルギー関連を除く)は5.5%上昇と、引き続き高い伸びだった。
米国のインフレ率は、昨年半ばのピークから大きく低下した。ただ、堅調な労働市場を背景とした賃金上昇により、人件費がコストの大部分を占めるサービス業では価格上昇が続いている。
FRBは12、13両日の連邦公開市場委員会(FOMC)で金融政策を議論。景気に減速の兆しがあり、今回も利上げを見送り、これまでの金融引き締めが経済に及ぼす影響などを見極めると予想されている。
◇11月の米CPI概要
消費者物価指数 0.1(前年同月比3.1)
コア指数 0.3(前年同月比4.0)
エネルギー ▲2.3
燃料油 ▲2.7
ガソリン ▲6.0
衣料 ▲1.3
新車 ▲0.1
中古車 1.6
帰属家賃 0.5
航空運賃 ▲0.4
(注)前月比%上昇、▲は低下。季節調整後。前年同月比は季節調整前