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ガソリン最高値更新、185円60銭=全都道府県で180円突破―経産省

レギュラー価格194円を表示する長野市内のガソリンスタンド
〔写真説明〕レギュラー価格194円を表示する長野市内のガソリンスタンド=30日午後、同市(時事通信社)

  経済産業省が30日発表したレギュラーガソリンの店頭小売価格は、28日時点の全国平均で1リットル当たり前週比1円90銭上昇し、185円60銭となった。2008年8月に記録した185円10銭を上回り、約15年ぶりに過去最高を更新した。

 値上がりは15週連続で、8月に入ってから9円近く上昇した。政府が価格の高騰を抑える目的で石油元売り会社に支給する補助金を縮小していることに加え、最近の原油高と円安が影響した。

 価格は、横ばいだった高知県を除く46都道府県で上昇し、全都道府県で180円を上回った。長野県では194円00銭と、データが残る04年6月以降の都道府県別の最高値を更新した。鹿児島県が191円60銭で続き、長崎県と山形県も190円を上回った。最低は岩手県の180円90銭だった。

 向こう1週間の価格について、調査を担当している日本エネルギー経済研究所石油情報センターは「小幅な値上がり」を予想している。 

 政府は今年6月以降、原油価格の高騰が落ち着いてきたとして補助金を段階的に縮小。9月末で終了する予定だったが、最近のガソリン価格の急上昇を受けて補助金制度を延長・拡充する方針だ。

 経産省は、補助金の支給がなければ28日の全国平均価格は196円に高騰していたと試算している。31日以降の補助金支給額は現行制度のルールに従って1リットル当たり9円70銭とする。前週の10円と比べ30銭の縮小となる。

 全国最高値の長野県では30日、困惑の声が聞かれた。長野市内の給油所を訪れた自営業の50代の女性は「車は自家用と仕事用の2台なのでダブルパンチ。早く安くなってほしい」と話した。サービス業の60代の男性は「カーエアコンを使うとガソリンの減りが早く、より高く感じる」とこぼした。給油所の所長は「仕入れ価格が上がり(小売価格に)上乗せせざるを得ない状況だ」と語り、年末までと報じられる補助金の延長にも「なくなればまた高値になる」とさらなる延長を期待していた。