財務省が1日発表した1~3月期の法人企業統計調査によると、全産業(金融業と保険業を除く)の経常利益は前年同期比4.3%増の23兆8230億円だった。増益は2四半期ぶりで、金額は1~3月期として過去最高となった。インバウンド(訪日客)を含めた客数の増加で宿泊や飲食などサービス業が増益。前年同期に燃料価格の上昇で赤字だった電気業も黒字に転換した。
非製造業の経常利益は、17.2%増の16兆2910億円。9期連続のプラスで、利益水準は1~3月期で過去最高だった。一方、製造業は15.7%減と2期連続の減益だった。パソコンやスマートフォンの需要が減速した。
設備投資額は11.0%増の16兆5395億円と、8期連続プラス。自動車業界で電気自動車(EV)関連投資が増加したことなどが寄与し、製造業は11.3%の増加。非製造業も10.8%の増加と、投資意欲が旺盛だった。
財務省は「緩やかに持ち直しの動きが続いている景気の状況を反映したものと考えているが、物価上昇の影響を含め今後も企業の動向を注視していく」(担当者)としている。