クラウド会計ソフト大手のfreee(フリー)は3月9日、書店経営に参入すると発表した。4月下旬をめどに東京都台東区の蔵前駅近くに「透明書店」1号店を出店する。同社の会計ソフトの利用者は中小事業者が多く、自らスモールビジネスを手がけることで得た知見を会計ソフトに生かしていく。
店舗は子会社の透明書店が運営する。1号店の店舗面積は71.55㎡で地下鉄大江戸線・蔵前駅から徒歩2分の場所に出店する。
透明書店は、書店の経営状況を全て「透明」にしていくのがコンセプト。月々の売上などの数値や、従業員の増員、経費の状況、店舗レイアウトの変更まで日々の施策や出来事を、失敗談や成功体験も含めて発信していく。
また、フリーのクラウド会計サービスだけでなく、同社の未発表サービスやAI(人工知能)などデジタルテクノロジーの実験場として同書店を活用する。
出版科学研究所によると、1999年に2万2296店だった日本の書店数は、2020年に1万1024店に半減した。一方、米国の独立書店の業界団体である米国書店協会では、加盟書店数が20年7月の1689から22年7月に2561へと増加。専門家によれば、日本でも独立系書店の出店が増える傾向にあるという。