円安・物価高の影響が新年を祝う正月のおせち料理にも及んでいる。帝国データバンクが28日発表した小売り・飲食店のおせち価格調査によると、三段重の商品は平均2万5522円と、前年より1042円(4%)上昇した。輸入する魚介類が円安などで値上がりした影響が大きい。
具材別の価格動向を見ると、11月時点で伊勢エビが前年同月比40%高と最も大きく上がった。鶏卵は29%高、数の子は23%高、煮たこは16%高、かまぼこは11%高となっている。イクラも3%値上がりした。具材以外でも、包装材の価格や輸送費の上昇が響いている。
調査対象の大手コンビニエンスストアや外食チェーン、スーパー、日本料理店など110社のうち、値上げしたのは62社。上げ幅は、1000円台が28社で最多。3000円以上も11社あった。
一方、価格を据え置いたのは48社。具材を早期発注で大量に仕入れてコストを下げたり、別の食材に置き換えたりする動きがあったという。
帝国データの担当者は「3年ぶりの行動制限がない正月で、大人数向け商品の売り上げは好調」と指摘。「ハレの日消費」は高くても奮発する傾向があり、「値上げの影響は限定的とみられる」という。