「物価高」倒産が過去最多=10月、「円安」も増加―信用調査会社
物価高や円安による収益悪化が原因で倒産する企業が増えている。民間信用調査会社の帝国データバンクは9日、「物価高倒産」が10月に41件と、4カ月続けて過去最多を更新したと発表した。「円安倒産」も7件と、8月に並んで今年最多。中小・零細企業は仕入れ価格の上昇分を販売価格に転嫁しづらく、担当者は「今後しばらく増加基調で推移する可能性が高い」と指摘した。
物価高倒産を業種別に見ると、運輸業や飲食料品小売業が目立った。燃料や食品の価格が高騰した影響とみられる。円安倒産は夏場以降に急増。今年は10月までの累計で21件と、2019年の年間22件に迫っており、過去5年で最多となる可能性が高い。
一方、東京商工リサーチが集計した10月の企業倒産件数(負債1000万円以上)は、前年同月比71件(13.5%)増の596件だった。今年4月以降、7カ月連続で前年水準超えが続いている。新型コロナウイルス禍を受けた政府の資金繰り支援策で件数自体は低水準だが、徐々に効果が薄れてきているという。負債総額は11.6%減の869億9500万円だった。