米アマゾン(Amazon.com)が発表した2022年4〜6月期のEコマース売上高は前年同期比4.3%減の508億ドル(約6兆7600億円)と、2四半期連続で前年実績を下回った。コロナ禍による巣ごもり需要が一巡したことが影響した。
自然食品スーパー子会社のホールフーズ・マーケット(Whole Foods Market)を中心とする実店舗の売上高は12.5%増の47億ドルだった。行動制限の緩和で店頭に客足が戻ったほか、物価上昇もあって2ケタの伸びとなった。直営スーパー「アマゾン・フレッシュ(Amazon Fresh)」を米英で12店舗出店したことも増収に寄与した。
アマゾンのEコマースサイトに出品する第三者向けの決済・物流などのサービス収入は9.1%増の273億ドルとなった。同社のブライアン・オルサフスキー最高財務責任者(CFO)によると、販売数量ベースではEコマース売上の57%を第三者が占めるという。
そのほか、有料のプライム会員などのサブスクリプション(定額課金)収入が10.1%増の87億ドル、広告収入が17.5%増の87億ドル、クラウドサービスのAWS部門の売上高が33.3%増の197億ドルと、いずれも2ケタの増収だった。
この結果、アマゾン全体の売上高は7.2%増の1212億ドルとなった。一方、物流やIT、コンテンツ、マーケティングなどのコストが軒並み上昇、営業利益は56.9%減の33億ドルにとどまった。
事業セグメント別の営業利益は、北米部門が6億ドルの赤字(前年同期は31億ドルの黒字)、国際部門が17億ドルの赤字(同3億ドルの黒字)だった。AWS部門は36.3%増の57億円に営業利益を拡大したが、北米部門と国際部門の減益分を補えなかった。