【英セインズベリー】 既存店売上高が5四半期連続で減少、価格競争に苦しむ

2015/03/19 00:00
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 英スーパーマーケット大手のJ.セインズベリーの2015年3月期第4四半期(3月14日までの10週間)の既存店売上高は、ガソリン販売を除いて前年同期比1.9%の減少だった。既存店の前年実績割れはこれで5四半期連続となった。ガソリン販売を含むと3.9%の減少だった。

 

 英国ではドイツ系ハードディスカウンター(小型の食品ディスカウントストア)のアルディやリドルの勢力拡大によって、スーパー各社が価格競争に巻き込まれ食品の店頭価格が下落している。また、コンビニエンスストアやネットショッピングにも顧客を奪われ、大手スーパー各社が苦戦を強いられている。

 

 セインズベリーは14年11月に店頭商品価格の見直しを発表、これまで1100品目以上の値段を引き下げた。昨年、ジャスティン・キング氏の後任として最高経営責任者(CEO)に就任したマイク・クープ氏によると、値下げした商品の売上高は平均で3%増えたという。

 

 ただ、クープ氏は今年も食品店頭価格の値下がりは続くとみており、コンビニ業態の出店やネットを含むマルチチャネル化を強化していく。15年3月期はスーパーマーケット店舗の新規出店が6店舗だったのに対し、コンビニ業態は98店舗を新設した。

 

 また、ネット経由での受注件数は第4四半期に14%増えたことから、ネットで注文した商品を店頭で受け取る「クリック&コレクト」の対応店舗を今年中に100店にまで増やすなど基盤を強化していく。

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