米物価、6.3%上昇=約1年半ぶり減速―4月
【ワシントン時事】米商務省が27日発表した4月の個人消費支出(PCE)物価指数は、前年同月比6.3%上昇した。ロシアのウクライナ侵攻に伴うエネルギー価格高騰などが一服、前月(6.6%上昇)から、2020年11月以来約1年半ぶりに減速した。
価格変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数は4.9%上昇(前月は5.2%上昇)。2カ月連続の減速だった。
PCE物価指数は、連邦準備制度理事会(FRB)の目標の2%を依然大きく上回る。FRBは物価安定の回復を目指し、積極的な金融引き締めに着手。5月の金融政策会合で、22年ぶりに通常の倍となる0.5%の大幅利上げに踏み切った。
ウクライナ危機をきっかけに、資源や穀物などの価格は幅広く上昇。新型コロナウイルスの感染を徹底的に封じ込める中国の「ゼロコロナ」政策による世界的な供給網の混乱も懸念され、インフレ上振れリスクは大きい。FRBは6、7月も連続で0.5%の追加利上げを行う方針だが、引き締めで物価が期待通りに落ち着くか、予断を許さない状況だ。
◇米PCE物価指数
3月 4月
PCE 前月比 0.9 0.2
前年同月比 6.6 6.3
PCEコア 前月比 0.3 0.3
前年同月比 5.2 4.9
個人消費・所得
個人所得 前月比 0.5 0.4
可処分所得 前月比 0.4 0.3
個人消費 前月比 1.4 0.9
モノ 前月比 1.9 0.8
耐久財 前月比 0.5 2.4
非耐久財 前月比 2.7 ▲0.1
サービス 前月比 1.1 0.9
貯蓄率 5.0 4.4
(注)単位%、貯蓄率を除き上昇/増加、▲は低下/減少