米GDP、1.4%減=輸入拡大で7期ぶりマイナス―1~3月期
【ワシントン時事】米商務省が28日発表した2022年1~3月期の実質GDP(国内総生産)速報値は、年率換算で前期比1.4%減となった。前期(6.9%増)の大幅な伸びから7四半期ぶりのマイナス成長に転じた。輸入の拡大や在庫投資の減少などが押し下げた。
GDPの縮小は、新型コロナウイルス感染拡大の打撃を受けた20年4~6月期(31.2%減)以来。市場予想の1.1%増を大きく下回った。
ただ、米経済の柱である個人消費は堅調さを維持。「成長の勢いはしっかりと続いている」(米銀アナリスト)との見方が多い。
個人消費は2.7%増(前期2.5%増)、設備投資は9.2%増(2.9%増)と、いずれも伸びが拡大した。一方で輸出が落ち込む中、輸入は17.7%増となったほか、在庫積み増しが一服したことが、GDPの押し下げ要因となった。
ロシアのウクライナ侵攻に伴い、原油などエネルギーや穀物の価格が高騰。高インフレが個人消費を冷え込ませ、成長の足かせになる懸念が強まっている。中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)は「経済は非常に強い」(パウエル議長)と判断しており、成長持続に向けて物価高を抑制するため、積極的な利上げを進める方針だ。